ハンドメイド販売をする上で、著作権については常に付きまとうものです。
これは著作権侵害になる?ならない?
キャラクターデザインの生地を使ってはいけないことや、手芸本に載っている作品を真似して作ったものを販売してはいけないことはわかるけど、「ハンドメイドのキット」ってどうなんだろう?
という疑問を持つ方も多いと思います。
今回は「ハンドメイドキットで作った作品」の販売について詳しく書いています。
ハンドメイドキットで作った完成品を売るのはOK?
ハンドメイドキットで作った完成品は不用品?
ハンドメイドキットで作った作品。上手く作れた。でも自分では使わないし身近にプレゼントするような人もいないから、メルカリで売っちゃおうかな。
ハンドメイドで何かを作ることは好きだけど、作品ばかり増えてしまって困っている。作ることは好きだけど自分では使わない。そういう人も結構いると思います。
そうなるとこの場合、ハンドメイドキットで作った作品=不用品として扱うことも考えられます。
しかし、実際はどうでしょう?ハンドメイドキットで作った作品を作るたびに販売していたら、それは不用品とは言えないですよね。
じゃあ、1個だけならいいのか?という事ではなく、本当に不用品なのか?というところですよね。
この辺は明確な判断が難しく、あいまいなところですが、「ハンドメイドキットで作ったものを売って稼ぎたい」というのはアウトでしょう。
商用利用可能なハンドメイドキットもある
しかし、最近は「商用利用OKのハンドメイドキット」というものを販売しているショップもあります。
こちらは「生地のマルイシ」さんのフリルミニトートキットです↓
キットでありながら「商用可能」と書いてありますよね。
こちらの記事で商用利用可能の型紙などが買えるお店にについてまとめています↓
このように、型紙だけでなく、キットも商用利用が可能な商品もあります。
ただし、キットで作った作品を販売する場合は「これはキットを購入し、製作した完成品である」という事を明確にして販売する必要があります。
マルイシさんでは、特にこのような記載はありませんが、キットで作ったものを販売してもいいとは言っても、まるで自分のオリジナルの作品であるかのように販売するのはNGだという事分かると思います。
なので、
「こちらはマルイシさんのキットで作った作品です。こちらのキットは商用利用可能なものです。」
とここまで書けば安心です。
キットで作ったことを明確に記載すればOKの場合もある
または、作ったけど本当に不用になって、不用品として販売するのであれば「○○ショップのキットで作ったバッグです。完成しましたが使用しないので出品します。」
と書けばOKな場合もあると思います。
また、ショップによっては「キットを利用して作った完成品は個人の販売する場合のみ可能」という場合もあります。
こういうショップなら、とにかくキットで作ることが好きで作品が増えて困っているという人、が作るたびに販売するのもOKになるでしょう。
どちらにしても、ショップの「よくある質問」で調べたり、分からなければ問い合わせをして確認することが大事です。
キットの作り方をちょっとアレンジして作って販売するのはOK?
キットの作り方をちょっと変えてアレンジすれば販売しても大丈夫なのでしょうか?(商用利用可能ではない場合)
アレンジというのは、例えば
・サイズ(型紙)を拡大または縮小する
・タックを取る位置を少しだけずらす
・キットの材料を使わず、他の材料(布・パーツなど)で作る
というようなことです。
サイズ(型紙)を拡大または縮小する?
型紙を拡大または縮小して自分好みのサイズに変えて製作するということは、ハンドメイドとしてはよくあることです。
自分で使うもの、誰かに無償でプレゼントする場合は問題ありませんが、サイズを変えたものを「自分のオリジナルのもの」として販売するのはNGです。
タックを取る位置を少しだけずらす?
ベースの型紙をちょっとアレンジするというパターンですね。これもNGです。
タックの位置をずらす、トートバッグをショルダーバッグにする、バッグを巾着にする。これらもベースが人様のものであるならオリジナルとは言えないですよね。
キットの材料を使わず、他の材料(布・パーツなど)で作る?
布やパーツを変えたことろで、あなたが考えたものではないですよね?ということはNGです。
どれも必ず著作権侵害になるとまでは言えませんが、なる可能性が高いのは事実です。
「ここまでならギリギリセーフだからやっちゃおう」なんていう考えでハンドメイド作家として活動しても楽しくないでしょう。
キットで作った作品の画像をインスタなどに載せるのはOK?
キットで作った作品、販売はしないけどインスタやブログに画像をUPしたい。という場合もあると思いますが、この場合も注意が必要です。
例えば、自分が買った書籍の画像載せる事や、新聞の記事の一部を写真にとって載せることも基本的にはNGです。
キットで作った場合も、完成品の画像はOKだけど、キットで作った工程をブログで紹介したり、作り方のレシピの画像はNGということになります。
例えそれが商用利用可能なキットであったとしても、著作権は製作した側にありますのでレシピや型紙を公開していいわけではありません。
「○○ショップのキットを作って作ります!」と言って、作り方の全工程をYou TubeにUPしたりするのももちろんダメです。
キットで作った作品ということはバレます
ハンドメイドキットで作ったものを販売することについていろいろと書きましたが、結論として、
ハンドメイドキットで作った作品ということはバレます。
商用利用可能なキットもあるので、キットで作った作品を売る事自体が悪いというわけではありません。
ただ、「キットだってことは見ればわかるよ」「あのショップのキットをちょっとアレンジしてるってわかるよ」という事です。
作っている側としたら、キットってことを言わなきゃわかんないだろうと思ってしまいがちですが、お客さんを侮ってはいけません。お客さんもどんどん賢くなっている時代ですから、下手なごまかしはしないことです。
キットだという事を隠して販売するより、「この作品は○○ショップのキットを使った完成品です!○○さんのキットは本当に素敵なので私も大好きです!」って正直に言った方が絶対に信頼されますよね。
それに、お客さんがもし気づかなくても、他の作家さんや手芸好きな人には確実にバレますからね^^
商用利用可能なキットが買えるマルイシさんはこちら↓