ハンドメイドをしている人は、基本手先が器用です。
「ポーチしか作れない」という人は少なく、ほとんどの人は「ポーチも作れるし、編み物、レジン、アクセサリー、刺繍も出来ます。」という多才な人が多いのです。
でも、手先が器用だからこその悩みもあります。
「何を作ったらいいか分からない」
逆に「私は縫い物は出来ないのでレジンしか出来ないしやりません」というくらいはっきりとしている人の方が、作品もブレなくていいかもしれません。
そうです、何でも作れるという事は、作品がブレやすいのです。
作品がブレて、コンセプトやターゲットもブレてしまうと、結局誰のための商品なのか?誰が喜んでくれるのか?わからなくなってしまいます。
そんな、ハンドメイド作家のあるある「何を作ったらいいのか分からない」「方向性を見失った」という状況になった時、どうしたらいいのか?
そんな時のひとつの考え方をご紹介します。
流行や売れ筋だけを追い求めると方向性を見失う
ハンドメイドで売れるためには、「今、どんなものが流行っているのか?どんな商品が売れ筋なのか」を調査するのはとても重要な事です。
みなさん、熱心にマーケティングをしていると思います。
マーケティングばかりに時間をかけて気付いたら1日終わってしまった・・・。
肝心の商品がひとつも作れない・・・。
そんなこともあると思います。
しっかりとマーケティングをしたけれど、それでも何を作ったら分からない、自分の作品に自信がない。もう身動きが出来ない。
となってしまうのが、ハンドメイド販売をする上では一番もったいない事だと思います。
「考えるよりまず行動」
とよく言いますが、いくら考えても手を動かさなければ何にもならないのです。
一番の罪は「作品を一切作らない事」だと思って、とにかく失敗してもいいから作ることです。
「失敗したら材料が無駄になるし、時間も無駄になる。もったいない。」
なんて思っていたら絶対に売れるようにはならないと思います。
確かに、失敗すればその作品は販売は出来ないかもしれませんが、何事も失敗せずにいきなり成功することなんてないですよね?
よほどセンスが素晴らしくて技術もある人なら別ですが、そういう人はそもそも「方向性見失う」なんてことはないと思います。
流行に敏感でいることはとっても大事ですが、考えるだけでやったつもりになっていても、結局は何にも進んでないのです。
一歩進むためには「考えるより、とりあえず手を動かす。」「とりあえず何か作ってみる」のが一番の近道です。
迷ったら、自分の「好き」に戻ってみる
方向性を見失うほど迷ってしまったら、自分の「好き」に戻ってみるのが一番です。
ハンドメイド販売を長く続けていると、自分が好きな物が売れるわけではないという事が理解出来るようになるので、「好き」を封印することもあると思います。
だけど、そもそもハンドメイド販売を始めたきっかけって、「好きだから」という理由の人がほとんどだと思います。
趣味で編み物をしていた。周りに褒められて、すすめられて販売するようになったけど、なーんにも考えず、ゆっくり時間をかけて、好きな物をただ編んでいた時って幸せだったな~。
そんな感覚を思い出してみて下さい。
そして、いったん「売れなきゃいけない」という呪縛から解き放たれて、好きな物を作ってみて下さい。
そうすると、自然に「あ、自分はこういうの作るのが好きだったんだ!」「こういうのが得意だから私の強みだな」とか、改めて客観的に自分の事を見られるようになります。
ハンドメイドでは自分が好きな物が売れるわけではない。売れるものを作らなけばならない。というのは本当のところですが、結局は自分の「好き」を作品のどこかに入れ込んだ方が売れるんじゃないかなと私は思っています。
私自身も、自分で言うのもなんですが、手先は器用な方で好奇心も旺盛な事もあって、いろんなものを作っています。
すべてを販売しているわけではなく、ただ作るのが楽しかったり、子供達のために作っているものもありますが、やっぱり自分の好きなアイテムにはそれだけ手をかけているし、新しいアイディアも浮かんで来やすいです。
今まで販売してきた作品の中でも、結局は自分が好きな作品が一番売れているなぁと思います。そんなに流行を意識していなくても、斬新でも奇抜でもなく珍しくもないけど、売れる。
あくまでも私自身の経験上でお話ししているので、全ての人にあてはまるわけではありません。自分の好きなものじゃなくてもバンバン売れている人もいると思いますし、好きなものを追及しているけど全然売れないという人もいると思います。
ただ、方向性に迷った時の一つの考え方として、
「好きな事をとことんやってみる」
というものいいんじゃないかなと思います。売ることを全く考えずに自分の好きなように一度作ってみて下さい。めちゃくちゃ楽しいですよ♪
ただ、それをやって方向性が見えてきたら、今度は「これをどう販売していくか」を考えて下さいね。
ずっと好きな事だけやっていたら、ただの自己満足で終わってしまいます。
自分の強みを知って、明確な方向性(ターゲット・コンセプト)を見つけるための一つの方法として、ぜひ参考にしてみて下さい。
売れている作家の共通点は「ブレていない」こと
売れているハンドメイド作家の共通点は色々とありますが、まず言えるのは
「ブレていない」
という事です。何がブレていないかというと、「ターゲット・コンセプト・ジャンル・価格帯」など全てにおいてです。
売れている作家は必ずと言っていいほどその人の「世界観」が出ています。
例えば、超人気ハンドメイド作家さんで言うと
komihinataさん
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neige+さん
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どちらも超が付く人気ハンドメイド作家さんで、私も大好きなお二人ですが、それぞれ世界観がはっきりしていますよね。
作品を見ただけで「あの作家さんの作品だ!」と分かる。
でも、もしパルテルカラーが特徴のkomihinataさんが、黒や紺などの色を使ったかっちりしたバックなども作っていたらどうでしょう?
どんなに素敵な作品だったとしても、きっとここまで人気にはなっていなかったのではないでしょうか。
もし、布合わせが特徴的なneige+さんが、アクセサリー販売やペットグッズも販売していたらどうでしょう。neige+さんが作るものなら、きっとどれも素敵なんだろうとは思いますが、それでも独特の布合わせが特徴のneige+さんの良さは薄れてしまうでしょう。
ここまで有名で人気の作家さんでなくても、売れている作家さんは間違いなく世界観がしっかりしています。
器用だからこそ、色んな作品も作れるし、かわいいのもかっこいいのも好きかもしれないけど、その中で自分はどんな世界観を作っていくのか?
迷いながらでもそこは作り上げて行き、途中であれこれ変えない事です。
価格帯についても同じで、仕立てがしっかりしてるバックをメインにして、価格帯が5,000円前後ならば、同じショップで300円のヘアゴムは売らない事です。売るなら、手の込んだデザインの2,000円のヘアゴムです。
そんな風にして、「なんとなく」好きな物を作るのではなく、「自分だけの世界観」を意識していくと、作れば作るほどその世界観は安定してきます。
komihinataさんも、neige+さんも、きっと嫌いな物は作っていないでしょう。嫌いな物を作っているようには見えませんね。好きな物を楽しそうに作っている作家は、それだけで魅力的に見えます。
迷ったら、「好き」に戻る。
今一度、自分の「好き」についてこだわってみるのもいいですよ。