「ニードルパンチ」は2019年9月頃からヨーロッパで人気が出たのがきっかけで、その後日本にも上陸し、じわじわと知名度と人気を広げています。
「ニードルパンチ」と言ったり、「パンチニードル」と言ったりしますが、技法は同じだと思われます。
海外からのブームに乗ってやってきたハンドメイドと言えば、オランダから来たズパゲッティがあります。
一時期糸が買えないくらい人気で、手芸店ではズパゲッティの糸が山積みになっていましたが、最近は落ち着きましたね。とはいえ、ズパゲッティの根強いファンは今でもたくさんいます。
ニードルパンチは、ズパゲッティほど爆発的な人気にはなっていないので、
「知らない」「聞いたことない」という人もまだいるかもしれません。
しかし!ニードルパンチは2022年現在も注目度は高く、「やってみたい!」という人もじわりじわりと増えてきています。
そんなニードルパンチの魅力について詳しく見ていきましょう。
https://handmade-step.com/knitting/zpagetti-cross-knitting
ニードルパンチとは?
ニードルパンチとは、専用の針(ニードル)に毛糸を通して、布にプスプスと針を刺していく技法です。
「絵を描くように」とか「塗り絵をするように」と表現されています。
普通の刺繍だと針に糸を通し、布の表側に針を刺して裏側から針を抜いて刺繍していきますよね。そうではなく針は布から引き抜かず、針先だけを布の表側からプスプス刺すだけです。裏側から針を抜き出しません。
イメージするなら、布にただ針で穴を開けているだけ。その針に糸がくっついているだけです。
言葉で言っても分かりにくいので、こちらの動画を見て見てください↓
本当に針をプスプスとさしているだけなのに刺繍が出来上がっていくのが分かります。図案を色鉛筆で塗るような感覚で埋めていく感じですね。
刺繍って「手間がかかる」「難しい」という理由でなかなか挑戦しにくいという人も多いと思いますが、このニードルパンチならすいすいと作品が完成してしまいます。
一見難しそうに見えますが、やり方さえおぼえれば本当に簡単です。
刺繍初心者さんにこそおすすめなんです。
そしてもう一つ、「フリーステッチングニードル」と呼ばれるものもありますが、これは二ードルパンチの糸が細いバージョンといったところです。
糸が細い分、細かい柄を表現できるのが特徴です。
私は布小物に刺繍したかったので、こちらのセットも購入しました。
フリーステッチングニードルのセット↓
フリーステッチングニードル(3本取り用)・フリーステッチングフープ(12センチ)・冊子(ワンポイント刺繍)の3点セットです。
ニードルパンチより針が細いので、より細かい模様を刺繍することが出来ます。ポーチなどにちょこっとポイントで刺繍を入れたいという人にはフリーステッチングニードルの方がおすすめです。
文化刺繍とニードルパンチの違いは?
ニードルパンチの技法を見て、
「あ!このやり方はどこかで見たことあるぞ!」と思った人もいるかもしれません。
そうです、日本の伝統手工芸の「文化刺繍」と同じ技法なのです。
正確には全く同じではないのですが、専用の針(ニードル)を使って布の表面をプスプスと刺していくやり方は同じです。
ニードルパンチと文化刺繍の違いは使用する糸です。
ニードルパンチの糸→毛糸
文化刺繍の糸→専用糸(リリアン)
ニードルパンチは毛糸を使用するのに対して、文化刺繍はリリアンと呼ばれる糸を使用します。リリアンは糸がチリチリに縮れる特徴があり、文化刺繍はその特性を生かして刺します。
縮れた糸を使う事で刺繍に立体感が出るのです。
文化刺繍は「ちょっと昔に流行った刺繍」というイメージがあるので若い方はあまり見たことも聞いたこともないかもしれませんね。
懐かしの文化刺繍。
9作目に取り組み始めようと思います。 pic.twitter.com/mlxgRDRnpe— 夢あみ (@hana_kumo_sora) May 21, 2022
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私も一時期ハマってユザワヤでキットを買って作っていました。文化刺繍経験者なら、ニードルパンチはお手の物でしょう。
文化刺繍は糸が細くてしかも縮れているため、引っかかりやすく、実用品には向きません。
ニードルパンチは毛糸を使っているため、そういった面の心配は少ないのでラグやバッグなどにすることも出来ます。
ニードルパンチで作るカーペットやラグが素敵すぎる!
ミンネで「ニードルパンチ」または「パンチニードル」と検索して出品数を調べてみました。
※2019年9月現在の出品数は約170件です。
※2020年12月現在の出品数は約270件です。
※2022年6月現在の出品数は約830件です。
この記事を最初に書いた2019年時点では約170件だったのに、2022年6月現在では約830件にまで増えています。
ニードルパンチの糸や道具などを販売している人もいるので、作品としての出品数はもう少し少ないとは思いますが、それでもニードルパンチに興味を持つ人が増えているのが分かりますね。
ニードルパンチでこんな素敵な作品が作れます↓
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カーペットやラグのように大きなもの以外にも、ブローチ、コサージュ、ピアスなど、工夫次第でいろいろなものが作れます。
ニードルパンチは工程が簡単なので、小さなものなら短時間で完成させることが出来るところが初心者さんにもおすすめ出来るポイントです。
ただ、専用の針(ニードル)は最初は必ず購入しないといけないので、まずはすぐに始められるニードル付のキットもおすすめです。
こちらは私が購入した「はじめてのパンチニードル」です。
一時期は売り切れが続出した人気のキットで、パンチニードル・糸通し針・タペストリーウール(毛糸)と作品の作り方が乗っている冊子がついています。
付録のものだから、品質的にどうかな?と思いましたが全く問題なく使えています。
ニードルだけ単品で買うと1,760円とかして、送料も入れたら結構なお値段になるので、
糸や糸通し針もついて、作り方の冊子まで付いてるキットの方が断然お得だと思いますよ。
フェリシモのパンチニードルキットがおすすめ
先ほど紹介した「はじめてのパンチニードル」のキットは、最初にニードルパンチを始める人にはすごくおすすめです。
しかし、キットといっても同封されている毛糸で作れるのは小さなブローチだけなので、その辺はちょっと物足りないと感じます。
なので、まずは道具をそろえたら、次はちょっと大きめの作品に挑戦できるキットがおすすめです。
ニードルパンチのキットもいろいろ販売されていますが、フェリシモは北欧っぽいデザインの作品が作れておすすめです!↓
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私もフェリシモのキット「新感覚!パンチニードルで作るボタニカルガーデン もこもこラグの会」を買いました!
生地や毛糸は専用のもの以外でも作ることが出来ますが、自分でそれぞれ選んで買うよりそろっている方が楽なので私はキットが好きです。
もちろん、たくさん作りたいという人は材料をそれぞれ買った方が割安にはなると思います。
フェリシモのキットは他にもたくさんあります。
フェリシモの公式サイトはこちら↓
また、ニードルパンチをするのに専用の刺繍枠も必要になります。普通の刺繍用の枠でも使えないわけではないと思いますが、あった方がいいと私は思います。
ちょっと高いんですが、私は購入しました。
私はフェリシモで買いましたが、楽天やアマゾンでも購入できますよ。
パンチニードルの専用木枠。なんかおしゃれでテンションが上がります。
ニードルパンチを始めるには、最初に少しお金がかかってしまうということになります。
私はDMCのものを購入しましたが、クロバーのものは樹脂製のもので少しお安いみたいです。
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基本的にはどちらでもいいと思いますので、自分が気に入ったものを購入して下さいね。
ニードルパンチの材料は100均でも買える?
最近は100均での手芸用品の扱いも、手芸店並みに充実してきているので、パンチニードルの材料も売ってないか調べてみましたが・・・。
ダイソー、セリアへ行くたびに売り場をチェックしていますが、残念ながら今だ販売はされていないようです。(2020年11月現在)
※2022年6月現在も100均でニードルパンチの材料は販売されていません。
もうそろそろ販売されないかな?とチェックしていますがまだですね。
やはり専用針などは作るのにコストがかかるのかな?
ニードルパンチの針は売っていませんが、刺繍の土台にする布や、毛糸は100均のものでも十分使えます。
なので針だけはきちんとしたものを購入し、材料は100均のもので練習するのもいいかもしれませんね。
たぶん100均で専用ニードルが販売されても、きちんとしたメーカーのものを使った方がいいと思います。
針のすべりとか使いやすさとか、全然違うと思うので。作業効率も変わって来ますのでね。
(編み棒も100均のものと、メーカ品とでは、使い勝手が全く違います。優秀な100均の道具もありますが、やっぱり道具選びは大事です。)
ヒルナンデスでも紹介されたニードルパンチ
ニードルパンチが周知されるようになってきたのは、ヒルナンデスで特集されたのがきっかけとも言えるでしょう。
2019年7月17日放送の「ドケチ隊、ハンドメイド主婦に弟子入り」でニードルパンチが特集されています。
松本明子さんのスリッパ1,300円
春日さんエコバック1,100円
片桐仁さんTシャツ1,900円
ラクマで販売しましたが、3つとも売れていませんでした。
教えていたハンドメイド作家さんの作るニードルパンチの作品はよく売れているようでしたので、やはりセンスとか、技術とか、作品の見せ方の違いでしょうか。
それから、スリッパとかトートバックとかのアイテム自体があまり売れ筋ではないので、もっと違うもの、例えばブローチとかヘアアクセとかにした方が良かったのではないかなぁと思ったりもしました。
ニードルパンチがまだ一般的に浸透していないという事もあったかもしれませんね。
あと、Tシャツにニードルパンチは、かわいいけど洗濯どうするの?着ているうちにほつれない?なんて心配になる人もいると思います。
実際はきちんと処理がしてあるので大丈夫のようですが、普通に買うには手が出しにくいんじゃないかなぁと思いました。
(市販品でニードルパンチで刺繍をしたTシャツやトレーナーを販売しているブランドもありますので、商品としてはありなんだと思いますが、ハンドメイドだと刺繍の処理はどうしても甘くなってしまいます。)
最近はヒルナンデスでハンドメイドの特集をすることがほとんどなくなってしまいましたが、また新しいハンドメイドをいろいろと紹介してほしいなと思っています。