世の中はマスク不足が全く解消されず、マスクを手作りする人が増えています。
私の仕事は医療事務で、医療従事者にあたるためもちろん職場ではマスクは必須。
ですが医療機関ですらマスクの入荷はほとんどなく、一週間に2枚しか使う事が出来ません。
マスクの内側にはインナーガーゼを当てて、1日使用したらガーゼは捨てます。そしてマスクは次亜塩素酸で消毒して次の日まで干しておきます。
そんな感じで何とかやっていますが、当然来院する患者様もマスク不足なわけで。
マスクをせずに来院する人もいますが、「何日も使ったような毛羽立ったマスク」をしている人や、手作りマスクをしている人がここ最近増えました。
「サージカルマスクを何日も使用する」のと「ガーゼなどで作った手作りマスク」と、どちらが効果があるかというと、正直分かりません。
たいていの「サージカルマスクは99%ウイルスをカット」するなどと言われていますが、マスクの表面にウイルスが付いた状態のものを何日も使えば、逆に感染するリスクがあるのは言うまでもありません。
(サージカルマスクに付着したウイルスは約7日間生きているという調査結果があります)
それならば、清潔なガーゼや布で作ったマスクの方がまだまし、と思えそうですが、ウイルスにとって布などの繊維は「巨大空間」なんだそうです。
もはやあまり意味をなしていないということになります。
それでも、国民に布マスクを配布する意味は何なのか?
賛否両論ありますが、やはりひとつは自分を感染から守るというよりも、「自分が無症状で感染していた場合に誰かに移すのを防ぐため」。
「自分を守る効果はほとんどないが、人に移さない効果はある」
という事のようです。本当なのか、そうでないのかはわかりません。
ただひとつ、確実に言えるのは「何でもいいからマスクはしておいた方がいい」という事です。
布だろうが、ウレタンだろうが、なんであろうが口と鼻を塞ぐものをしておくべき。
それは「私はコロナウイルス感染拡大を阻止するために努力しています」と周りに知らせるための「目印」です。
マスクをしていない人は、特に医療機関に来ると白い目で見られます。
「なんであの人マスクしてないの・・・」
体調もいいし、咳も鼻水も出ない。自分には移す可能性はない、と思っていてもちょっと喉が乾燥して「コホン」と咳が出るかもしれません。
その瞬間、周りの人から冷ややか目で見られるでしょう。
それに、全く症状がなくてもウイルスに感染している可能性があるのはもう誰もが知っていることです。
そんなわけで、周りの人を安心させるためにも「マスクはするべき」なのが現状です。
マスクを手作りする人が急増している
そんなわけで、今マスクを手作りする人が急増しています。
私も、子供の給食用のマスクを作ったり、ガーゼハンカチを作ったりしていたので家にはWガーゼやマスクのひもの材料がある程度ありました。
ですが、主人にも「作って」と言われネットで材料を買おうとしたところほとんどが売り切れの状態。特にマスクのひもは品薄が続いているようです。
そんなこともあり、様々な素材でマスクを作る人が出てきて、それをSNSで発信する人も急増しています。
キッチンペーパー、コーヒーフィルター、ミニハンカチ、フエルト、バンダナ・・・など、材料はもうなんでもありです。
今までなら、大人が手作りのマスクをするなんて恥ずかしくて絶対しなかったですよね。
でも今は、様々な色・柄の布で作られた派手なマスクを堂々とみんなが付けています。
「そのマスク素敵ね!手作り?」
なんていう会話も生まれています。
どれだけおしゃれなマスクをつけるか?マスクがファッションアイテムのひとつになりつつあると思います。
また、さまざまな企業もマスク作りに参戦しており、丈夫な和紙で作ったもの、銅で作られたもの、靴下の素材で作ったもの、などなど企業も試行錯誤して新たなマスクを開発しています。
芸能人など有名人も自分でマスクを作って、それをYouTubeなどで紹介している人も出てきています。
個人的には研ナオコさんのズパゲッティをマスクのゴムにするアイディアが素晴らしいと思います↓
ベーシックなデザインで作りたい人はこちらのユザワヤさんの「リバティとWガーゼのプリーツマスクの作り方」をおすすめします↓
マスクは需要があっても売る場所がない!?
これだけマスクを作る人が増えると、「自分が作ったマスクを売りたい」という人も増えてきます。
単純に「マスクがなくて困っている人に届けたい」という気持ちの人と、「このチャンスにマスクを売って稼ぎたい」という人と、様々だと思いますが、実際マスクの需要はあるはずですよね。
でも、今手作りマスクを売る場所がないのです。
現在、フリマサイトやオークションではハンドメイドのマスクも販売を禁止されています。
マスクの販売を禁止しているサイトをまとめました。
ほとんどのサイトがマスクの販売を禁止していますが、クリーマ・BASEだけは販売を禁止していません。
さらにクリーマは、マスク不足の実態を踏まえてマスク作りをするための材料の出品の強化をするとまで言っています。
という事で、今現在手作りマスクを販売できるサイトはクリーマとBASEのみという事になります。
実際クリーマのサイトを見てみるとたくさんの手作りマスクが販売されていました。
販売価格を見てびっくりするのですが、1枚1,000円~2,000円以上で販売されているものが多数あります。
マスク1枚が、ですよ。
この値段でも購入している人がたくさんいます。生産が追い付かず「受注生産」にしている作家さんも多数。
今までこんな高値でマスクが取引されていたでしょうか?
とてもいい素材を使っているこだわりのマスクかもしれませんが、コロナウイルスの流行に便乗している感は否めません。
もちろん、必要な人がいるわけですから悪徳とまでは言い切れないですが、何となくいい気持ちはしないのは私だけではないと思います。
禁止されていないとはいえ、やはりこのような販売をしている人は世間から冷ややかな目で見られるのは避けられません。コロナウイルスが収まったらどうなるのでしょうか?
また、メルカリなどでは「手作りマスクのキット」は出品禁止の対象外になるという事で販売している人もいるようですが、かなりたたかれているようです。
(実際、本当にマスクキットの販売がOKなのかは直接メルカリにお問い合わせ下さい。)
という事で、手作りマスクを売る場所はほとんどなく、禁止されてない場所で売ったとしても周りから色々言われてしまうというのが現実なのです。
売ってもいいのは直接販売だけ
ほどんどのサイトでは手作りマスクを販売することは不可能に近いという事が分かりましたが、では本当に売る場所は全くないのでしょうか?
そもそも、マスクの販売を禁止された理由は「転売を防止するため」です。
なので最初は個人が作るマスクは対象外にしていたサイトもありますが、こうなってくると「どこまでは良くてどこまではだめなのか」の線引きが難しくなり、一律で禁止されることになったということのようです。
ただ、TVなどでおばあちゃんが「困っている人のためにマスクを手作りしています。1枚650円で販売しています。」なんていうのを紹介していたりしますが、これはどうやって売っているのか?
これは、作った人が直接販売しているのです。
なので、生産者が自分のお店で販売したり、直接やり取りをして販売するのはOKという事です。
例えば、友人に「作って!」と言われて作って販売する。というのは違反になりません。(もちろん明らかに高額な金額を請求すれば話は別です。)
Instagramで直接やり取りをして販売する、InstagramからBASEに誘導して販売する、というのも理屈的にはOKです。
また、ハンドメイドショップに委託販売でマスクを納品する→ショップが販売する。というのもOKですが、どの場合も慎重に行うのは言うまでもありませんね。
必ず「違反行為をしていないか」を自分で確認してから販売するようにしましょう。
手作りマスクを販売する時の注意点
最後に、手作りマスクを販売することを前提で制作する時の注意点をお伝えしておきます。
①材料は洗濯、消毒等を行う。
②制作時はマスク、手袋をするなどして清潔に行う。
③体調が悪い時、ウイルスに感染している可能性が少しでもある場合は製作しない。
④梱包時も衛生面に十分注意する。
⑤適正価格で販売する。
どれも当たり前の事ですが、今まで手作りマスクを販売していた人も、ここまで気を付けて製作していた人は少ないないのではないでしょうか。
でも、現在は事情が違います。
製作者がコロナウイルスに感染していたらどうなるでしょう?
コロナウイルスが付着したマスクをつけてしまったら、自分や人を守るための物が全く逆の物になってしまいます。
布などについたウイルスは数時間で死滅すると言われていますが、100%ではありません。プラスチックの袋にマスクを入れてしまえば2~3日間ウイルスが生きている可能性もあります。
そう考えると、手作りマスクを販売することも、購入することもリスクがあるなと思ってしまいますね。
でも、今は世界中が「緊急事態」なのです。今までと違うのはあたりまえ。
手作りマスクを作る人が増え、売りたい人もたくさんいると思いますが、この緊急事態を十分に理解した上で制作・販売をして下さいね。