私は2年くらい前までハンドメイドの委託販売をしていました。
今までいくつかのお店で委託販売をしていたのですが、期間を合計すると10年くらいだったと思います。
2年前にその時唯一の委託先だったハンドメイドのお店がコロナで閉店したのをきっかけに、その後は委託販売をしていません。
2年前に比べたら、ハンドメイドのイベントも復活してきているし、売り上げが落ちていたお店も少しずつ回復していると思います。
この記事では、これから「委託販売をするべきか」「委託販売をしない方がいいか」について詳しく書いています。
「委託販売は売れない」は本当か?
私が委託販売を本格的に始めた2013年ころは、「ハンドメイドブーム」と言われ、本当にハンドメイド品が良く売れた時代でした。
イベントも大盛況。ハンドメイドのお店もたくさんあったし、TVや雑誌などでもたくさん取り上げられていました。
今ではあまり売れないような、くるみボタンのヘアゴムや、コースター、シュシュ、デジカメケースみたいなものがすごく売れました。
でも、2022年の現在はどうでしょう?
ハンドメイドをする人はいまだに増えてきていると言われていますが、以前のように売れなくなっています。
それはなぜかと言うと、理由は2つあると思います。
ハンドメイドのクオリティが高くなっている
ハンドメイドをする人の技術が上がって来たというのと、様々な資材が手に入りやすくなったことでハンドメイド品の全体的なクオリティが上がっています。
10年前と比べたら、比べ物にならないくらいクオリティが上がっています。
プロ級の腕前のハンドメイド作家さんがすごく増えたのです。
ということは、クオリティの低い作品はまず売れないと思っていいでしょう。
昔は「ハンドメイド品のため、縫い目にゆがみなどありますがご了承ください。」みたいな言葉を添えて販売している人も多かったですが、近年では縫い目がゆがんでいるとか、形がいびつなのを「ハンドメイドの味」としてとらわれにくくなっています。
「ちょっといびつなのが温かみがあっていいよね」という人は今の時代、少ないでしょう。
「素人が頑張って作りました」という程度の作品は、今の時代では売れなくなってしまったのです。
お客さんの目が肥えた
ハンドメイド品の全体のクオリティが上がったので、お客さんの目も肥えています。
もう、「かわいい」だけじゃ買ってくれません。
ハンドメイド品を作る人が増えたので、似たような作品も増えました。その中でもクオリティがいいものはどれなのか?それをお客さんはちゃんと見ているし、見極めることが出来ます。
同じような作品が並んでいるのに、この作家さんはすごく売れているのに、隣の作家さんは全く売れていないという現象がたくさんあります。
委託販売も売れにくくなっている
ハンドメイド販売をする人が増えたので、委託販売をしたい人はたくさんいるけれど、実際はなかなか売れないのが現状です。
もちろん、売れている作家さんは委託販売でも売れています。
そういった作家さんは委託販売だけでなく、インスタのフォロワーが何万人といたり、イベントでも名が知れていて「すでに人気作家」である事が多いです。
委託販売だけで人気作家になるのは難しく、SNSを全く利用せず人気作家になるのは難しい時代になりました。
それでも委託販売をやる理由
正直なところ、委託販売はあまり売れません。特にインスタなどを全くしていなくて、一からハンドメイド販売を始める人、ハンドメイド初心者が委託販売をする場合は最初はほとんど売れないでしょう。
実際にハンドメイド商品を扱うショップの定員さんも言っていました。
「売れても売れなくても家賃がかかるのと、売り上げの20%を手数料でいただきますがそれでもやりますか?」
「売れている人は売れていますが、中には全く売れない人もいます。」と。
もし、委託販売をしたいのであれば、なぜ委託販売をするのか、その理由を自分の中ではっきりとさせておくことが大事です。
売れることにこだわらず、名前を売ると考える
委託販売を初めて、最初からバンバン売れるという事はほとんどないと思います。「とにかく売る」ことにこだわる人は長続きしないかもしれません。
また、ある程度の作品数が必要ですし、定期的に納品に行く必要もありますのでそもそもハンドメイドに時間をそんなに取れない人はやめた方がいいと思います。
ですが、たとえあまり売れなくても、自分の名前を知ってもらえる可能性はあります。
その委託先のお店が人気店であればあるほど、自分の作品を知ってもらうきっかけにはなります。
他の作家さんの作品に埋もれる可能性もありますが、作品のクオリティを上げてディスプレイにもこだわってやっていけば、「こんな作品作っている人いるんだ」と認知してもらえる可能性も十分にあります。
また、自分のインスタやブログなどで「委託先はこちらです」と書いたり、自分の名刺に委託先を書くことが出来れば、それを観た人がお店を訪れてくれるかもしれません。
実際に作品を目で見て触ってみることがある委託先があるというのは、ハンドメイド販売を上で強みになるでしょう。
ハンドメイドの横のつながりを作る
ハンドメイド販売をしている人は、基本的に自分一人で作って、写真を撮って、販売して、発送して・・・という事をしています。
横のつながりってなかなかないと思います。
ですが、委託販売をすると、納品に行った時などに他の作家さんと話をしたりすることもありますし、お店の人から「この間作家の○○さんが、作品買って行かれましたよ。」なんて教えてもらえることもあります。
他にも、今度こんなイベントするから参加しませんか?とかいろんな情報をもらえたりすることで、自分のハンドメイド販売の可能性が広がっていく可能性もあります。
売れている作家さんのいいところを真似する
委託先で様々な作家さんの作品を見ているとすごく勉強になります。
あ、こんな風に工夫しているんだなとか、こんなところが自分の作品は負けているなとか。この作家さんは資材の使い方がうまいなとか。
実際に他の作家さんの作品を見て触ってみることが出来るのはとても刺激になります。
そして、いいところはどんどん真似すればいいのです。パクるという事ではなく、真似して自分のものにするという意味です。
結論:委託販売は他の販売方法と併用するべし
これから先、委託販売をした方がいいのか、しないほうがいいのか。
一昔前のハンドメイドブームは落ち着き、ハンドメイド業界は飽和状態と言っていいでしょう。
そんな中で、昔と同じようなやり方で単に商品を作って、納品して、あとはお店にお任せ。というスタイルではこの先ハンドメイド作家として生き残ることは難しいです。
ネットで販売が出来るようになりましたが、実際に作品を目で見て触ってもらえるのは、イベントに出品するか委託販売をするかしか方法はありません。
そう考えると、ネット販売とイベント。またはネット販売と委託販売。という風に様々な販売方法を併用するのがいいと思います。
ハンドメイド作品のクオリティは、そこそこみんないいんです。売れるか売れないかは、あとは作品を作家を知ってもらえるかもらえないか。
もちろん、作品のクオリティ高いという事が前提になりますが、あとは売り方が上手いかどうかも大事になってきます。
委託販売はどうしてもある程度の作品数が必要ですし、利益としてもあまりないかもしれませんが、自分の名前を売るためにやる。そして、名前が売れるようになったらいったん委託販売を辞めてネット販売に専念する。
そうやって、状況によって柔軟に販売方法を変えて行ってもいいと思います。
実際、超売れっ子のハンドメイド作家さんは、初めは委託販売をいくつかのお店でしたり、イベントにたくさん出たり、インスタで紹介してファンを増やしていき、人気になったら委託販売はやめて自分のサイトで販売している人ってとっても多いのです。
超売れっ子でも、色んなことを試してやってきているのですから、初めから売れるとは思わず、少しずつ売れるようにしていけるといいですね。
(私も、しばらくやっていなかった委託販売やイベントの参加をこれからまたやろうかな、と思っています。)
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